マネージメントとはどういったものか、ヒトの原理原則を踏まえた振る舞い方が記されている。
管理の仕事はだれしも突然やってくるものであり、その導入として理解しやすく書かれている良書。
1章 迅速な意思決定のルール
論理的要因と心理的要因の2つから決断ができない。
これら2つの要因を克服しながら迅速かつ質の高い意思決定を行う。
●「いつまでに決めるか」を決める
思ったタイミングの半分で設定する。
●早めに決めて、間違いに気づいたら修正すればよい。
「間違った決断は決めないことよりもましである」
「失敗は成功への踏み台だ」
「成功の反対は失敗ではなく、何もしないこと。」
行き詰まった時は目的に立ち返る。
●やってみて修正しながら精度を高めていくスタイル
検討に時間をかけない。
修正する場合は理由を明確にする。
失敗したときにどうするかを事前に決め、方針を迅速に決め、すぐに行動する。
●10分で決断できない時は誰かと話す。
オートクライン:人と話しながら自分で発した言葉を自分自身で聞いているうちに、次第に考えが深まったり気づきが起き、問題が整理されていくこと。
オートクラインを引き出す方法
- 言葉のキャッチボールをすること
- 相手との会話を通して自分の中で考えを発展させる。
• • 相手の話を受け止めて自身の考えを推敲する。
2章 仕事のスピード感を高める
仕事のスピード感を高める→スピードこそが質を高める
●やるべきことが生じたら、まずはちょっとだけやる。
①難易度がわかる
②内容を正確に理解する
③必要な情報を依頼できる
④受信感度が高まる
●会議のオーナーシップを発揮する。
結論を出す人間が冒頭でゴール宣言をして自ら進行する。時間を決めて議論を打ち切り結論をだす。
●会議の参加者に次のアクションを宣言させる。
誰が、いつまでに、なにを、どのようにやるのか。
●即断、即返信を行い、常に相手側に仕事を渡しておく
ビシバシ返信はビシバシ確定。
優れた意思決定力な表れ。
●報告書は事前に半分書いてしまう。
空欄効果で論点を明確にする。
論点を整理することができる。
●当たり前のルールの見直しを。
⚪︎ルールの背後にある本来の考え方は?
⚪︎ルールの適応による弊害は?
⚪︎ルールを弾力的に運用できないか?
⚪︎ルールを廃止できないか?
3章 生産性を高める仕事のルール
アウトプットの付加価値を高める。
→密度の高い試行錯誤、発想力を高める思考プロセス
●「いたほうがいいから」で会議に参加させない。
「あったほうがいい」は正しい選択とは限らない。
時間対効果で判断する。must haveで仕事を。
あったほうがいいで部下の時間を奪っていないか自問してみる。
●質とは完成度ではなく、ニーズとの合致性に依る
相手のニーズを把握していることが大切。
完璧を求めるよりも迅速性が必要なこともある。
●仮説、検証のループで早く正解に辿り着く。
試行錯誤の質的マネジメント
●評価者ではなく学習者になる。
領域の異なる話は切り離して考えるのではなく、そこから得られる教訓を探し出して取り込む。
常になにか学べることがないかと『自問』する。
●当たり前の水準を高めて涼しい顔で仕事する。
→『平熱が高い』
自分の平熱を高めて、それをチームの平熱とすること。
時間をかけて伝えていく。
「忙しい、難しい、大変だ」は禁句 これは承認欲求。
●情報共有で劇的に生産性を高める。
既に情報を持っていないか、資料を持っていないか。
領域を問わずコミュニケーションをとる。
アウトプットの付加価値を高める。
●「ダブルメリット話法」で上司を転がす。
上司のメリットとは業務目標の達成のこと→提案を上司の業務目標に関連づける。
ある提案Aをすることでこのような直接的メリットがある。『その結果』、間接的メリット(上司メリット)が得られる。
未合格のはなし。
役職や年齢に関係なく、自分はまだ成長過程にあり未熟で、失敗して当たり前。こう考えれば心理的余裕が生じる。