背景
腎臓内で生じた結石が尿管を通って膀胱内に移行したり、膀胱内の種々の成分が結晶化して結石として存在してしまう疾患です。
膀胱内に結石が存在することで膀胱壁を刺激したり、尿道につまって疼痛が生じたりします。
膀胱結石を含む尿路結石の痛みは非常に耐えがたいものとされており、「痛みレベル」ランキングTOP10なるものによると第3位とされています。
結石を構成する主成分はカルシウムです。
種類としては、シュウ酸カルシウム結石やリン酸カルシウム結石、尿酸結石、リン酸アンモニウム結石などが挙げられます。
腎臓結石を含む尿路結石の発症数は10万人に50人くらいといわれています。特に40代以降の男性や閉経後の女性に発症しやすい傾向です。
尿路結石の男女比率は2.5:1、生涯罹患率は2~10%とされているため比較的多くの方が苦しむ疾患といえます。
原因
膀胱結石を含む尿路結石の原因に関しては腎臓結石とエコー像(Kidney stones and the echo images)を参照ください。
特徴、検査
特徴、検査に関しても腎臓結石とエコー像(Kidney stones and the echo images)に記載しています。
エコー像
膀胱結石を含む尿路結石をエコーでみると、基本的には音響陰影を伴う高輝度像で描出されます。
結石の表面で超音波の多くが反射されるため高輝度像を呈することになり、結石の後方に透過する音波がなくなるため陰影が生じることになります。
膀胱結石と背側の膀胱壁との鑑別が難しい場合があります。というのも、背側の膀胱壁は度々高輝度で音響陰影を伴う場合があるからです。
さらっとみていると見逃してしまう危険性もあるので要注意ですね。
膀胱結石の場合は体位変換により移動するため、膀胱結石が疑われた場合は側臥位で観察したり体位を変換したほうがよいと考えます。
ここから先は「膀胱結石のエコー像」を提示します。
膀胱結石を黄色矢印で示します。
音響陰影を伴う径15mm程度の高輝度像を認めます。
体位変換により移動性を確認できたため、膀胱結石と判断することができました。
参考文献
まとめ
ここでは膀胱結石の背景、原因、特徴、検査法、エコー像についてまとめました。
エコー検査は尿路結石に対する画像検査の入り口となります。
有益な情報を出来る限り多く報告できるようにしたいですね。
閲覧いただきありがとうございました。
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